転職するときの採用面接で、まず初めに行われるのは一次面接、次は二次面接です。
この面接をクリアすると、役員面接や最終面接に挑戦できますが、一次面接や二次面接でどのような印象を与えるかも、かなり重要なポイントです。
一次面接や二次面接で与えた印象が、そのまま最終面接まで引き継がれる可能性が高いので、まずは一次面接と二次面接で良い印象を残せるよう工夫をしましょう。
良い印象を残せる絶好のポイントが「逆質問」です。
「最後に何か質問はありますか?」と、面接官が応募者に聞いてくる質問ですね。この逆質問をうまく利用することで、あなたをより強く印象付けることが可能なんですよ。
今回は、「実はNGな逆質問」と、「良い印象を与える意外な逆質問」についてご紹介していきます。
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一次面接と二次面接の面接官について
まず、採用面接の一次面接の面接官についてですが、大体どの企業でも、はじめは人事部の担当者が行います。
この一次面接で、次の二次面接や役員面接に挑戦するのにふさわしい人物を振り分けるんですね。
そして次の二次面接では、一般的には、採用予定の部署の管理職(直属の上司)が面接を行います。
こちらも最終面接ほど厳しくはありませんが、直属の上司(予定)に良い印象を与える絶好の場でもあります。
好印象を残す方法の一つとして、「逆質問」とご紹介しましたが、まずは一次面接・二次面接の面接官が逆質問で何を知りたがっているのかを、把握しておきましょう。
逆質問で面接官が知りたい3つのポイント
逆質問をすることで、面接官は一体何をチェックしているのか、3つのポイントをご紹介していきますね。
会社に合った人物かどうか
逆質問は、応募者が自由に質問できるので、質問にその人の性格や考えが、反映されます。
そこを面接官はよく見ています。
例えば、チームワークを重要視する部署の場合は、逆質問で自己アピールをするような我が強い人物よりも、コミュニケーション能力が高い人当たりのよい人物が求められますよね。
質問をすることで、どんな人物か推し量ることもできるんですよ。
その応募者はどんな考え方をしていて、仕事に対してどんな取り組み方をするのか…会社や採用される部署に合った人物かどうか、見極めるために逆質問を使うことがあります。
コミュニケーション能力があるかどうか
逆質問は、企業に対してどんな疑問があり、どんな興味があるのか…自分の考えをまとめて、的確に伝える…という高度なコミュニケーション能力が必要になります。
的確な逆質問ができる能力の高い人物がどうか、面接官は見極めているんですね。
そう考えると、「特にありません。」と回答するのは、基本的にNGであることがわかります。
この会社で働きたいという意欲や将来性を知るため
企業側が採用したい人物としては、当然ながら「この会社で働く意欲のある人間」「将来にわたって貢献してくれる人間」です。
でも、転職者が色んな企業を何社も受けていることは、面接官もわかっています。
だから面接で、「この会社でぜひ働きたいという意欲はあるのか」という志望度がみたいのです。
逆質問をしたときに、「特にありません。」と回答したら、「この会社に興味がない。つまり働く気がない。」とみられてしまう可能性があるので要注意です。
逆面接をする面接官の意図はお分かりになりましたでしょうか。
次に多くの応募者がしてしまいがちな、実はNGになってしまう逆質問についてご紹介していきます。
この逆質問は実はNG?!
意欲を見せる質問は印象に残りにくい
逆質問は、あなたの働く意欲を見せる絶好の場であることは間違いありません。
面接官も「応募者の志望度」を見ていますので、この質問自体は逆質問として適しています。
例えば、こんな質問ですね。
「私も早く独り立ちして御社に貢献したいと考えておりますが、今まで転職された方は、大体どのくらいの期間で独り立ちをして、成果を出されていますか?」
「御社で責任のあるポジションで活躍するためには、どのような能力を求められるのでしょうか。」
これらの質問をするのは決して悪いことではありませんし、回答の後に、「私のこのスキルがきっとお役に立てると思います。」と自己アピールにつなげることもできます。
ただ、これらの質問は意欲をアピールできる逆質問として、たくさんの応募者が言っています。
つまり質問としては似たり寄ったりで、面接官もこの手の質問は聞き飽きている可能性が高い。
このような意欲を見せる質問は、一次面接・二次面接突破の及第点は取れるかもしれませんが、それ以外に特別な能力やスキルがない限り、面接官の印象には残りません。
また、もし、同じような逆質問を行った人物Aと人物Bがいた場合、スキル面でAのほうが高い時は、Aのほうが採用される確率が高くなります。
だから逆質問でも、無難でよくある逆質問をするのではなく、自分をより印象付ける質問をする必要があるんです。
質問としてはNGではないのですが、先ほど挙げたような質問は、それほど強い印象を与えない…と覚えておいてくださいね。
長所のアピールが逆に悪い印象に
「私は前職でリーダーとして○○のような仕事に携わってきました。御社でもぜひその経験を活かしたいのですが、御社がリーダーに求める能力は何でしょうか?」
「自分は現場の仕事が得意で、前職でも即戦力として働いてきました。御社での研修期間と、実際に現場に出るまでの期間はどのくらいになりますか。」
これらの質問は、質問の中に自分の長所やスキルを入れていることがわかりますね。
でも、こういった自己アピールは、質問形式になっていても、自己アピールしていることがバレバレです。
確かに会社側は能力が高い人物を採用したいと考えていますが、自信過剰な人間を欲しいわけではありません。
長所のアピールが、逆に自慢話のように聞こえてしまい、あなたの印象を悪くしてしまう恐れがあるので要注意です。
自分の条件ばかりを優先した質問
本音を言うと、応募者が一番気になるのは、「給料」「休み」「福利厚生」「残業時間」などの待遇面ですよね。
でもこれらの質問を、採用面接でするのは基本的にNGです。
企業は基本的に、「会社に貢献してくれる人物」を求めています。
貢献してくれたことに対して、お給料や休みを支払っていくのです。
しかし、面接で待遇面の質問をしてしまうと、「この人物は、待遇で会社を選んでいるのではないか」という印象を面接官に与えてしまいます。
誰にでも本音はありますが、まずはどのように会社に対して貢献できるのか、そちらに重点を置いた逆質問をしましょう。
さて、実はNGになってしまう逆質問についてご紹介しましたが、次に「面接官に好印象を与える意外な逆質問」をご紹介していきますね。
この質問をするだけで、ほかの応募者との差別化ができます。
面接官に好印象を与える意外な逆質問とは?
面接官に好印象を残す意外な逆質問は、3つのプロセスで成り立っています。
それぞれ順を追って、説明させていただきますね。
1つ目のプロセス:面接官に関する質問をして共感する
好印象を与える逆質問では、まず面接官の仕事に関して聞きます。
逆質問では、つい、「御社で求める人材は…」とか「御社の今後の事業展開は…」ということを言ってしまいがちですが、そのような質問はどの応募者もしています。
先ほど紹介しました通り、面接官にとっては聞きなれた質問なので、評価としては「可もなく、不可もなく…」ということに。
やる気をアピールするはずの逆質問で、結局何の印象も与えることができないのは、何とももったいないですよね。
そこで他の応募者とは違う質問をするのですが、それが面接官の仕事に関する質問なのです。
「〇〇様(面接官の名前)の、御社でご担当されていらっしゃるお仕事のやりがいを教えてください。」
「〇〇様が、御社でお仕事をする上で、気を付けていることがありましたら教えてください。」
「○○様のされているお仕事で、苦労されたエピソードがあったら教えていただけないでしょうか。」
面接官は、面接では「応募者の話を聞く」ことばかりで、自分のことを話すことはありません。
でも、人間は基本的に、自分のことを話すのは大好きです。
逆質問で自分のことを聞かれて、自分の苦労話や会社での頑張りを話すことで、面接官の気分も良くなります。
この質問をすることで、「今までの応募者と違う!」という印象を与えることができるんですよ。
面接官の話を聞いたら、「それは大変なご苦労をされたのですね…」や「それは素晴らしいことですね」など、共感の気持ちを伝えます。
共感してもらえると、人間は「この人物は、自分のことを分かってくれている!」と感じて、共感してくれた相手に好印象を持つ可能性が高いです。
面接官への質問⇒面接官の話に共感
このプロセスで、あなたと面接官の距離はぐっと縮まります。
2つ目のプロセス:人材を募集している部署の問題点を聞く
面接官の苦労話を聞いて、共感した後は、人材を募集している部署が抱えている課題点や問題点について聞きます。
「○○様も大変なご苦労をされてきたんですね。○○課(人材を募集している部署)でも何か業務上の課題点や改善したいことがあるのでしょうか。」
この質問をする理由は、人材を募集している部署がどんな能力がある人物を求めているのか知るためです。
人材を求めているということは、その採用される部署で何らかの課題点があるからですが、つまり、その課題点を改善・解決してくれるような人物を、会社は求めているんですね。
どんな能力がある人物を部署が求めているかわかったら、ここで初めて、自分の持つスキルでどこまで貢献できるのか、アピールをします。
3つ目のプロセス:最後に自己アピール
部署の問題点に対して、自分のスキルでどのように貢献できるのか、ここで初めて自己アピールをします。
前の会社でも同じような問題点があり、それを自分がどのように解決や改善をしてきたのかを詳しく説明できればより良い印象を与えます。
そして最後に「御社で、私のスキルが、少しでもお役に立てたら嬉しいです。」と伝えます。
ここでポイントなのは、「自分はこういったことができます!」と自己アピールしすぎないこと。
過剰な自己アピールは、高慢という印象を与えてしまい、プロセス1の面接官への質問や共感で与えた良い印象を崩してしまう可能性があります。
あなたも過剰な営業トークや押し売りをされたら、逃げ出したくなったり、ウザく感じたりしますよね。
面接官も同じです。
最後は控えめな自己アピールで、良い印象を与えて締めましょう。
まとめ
面接官にぐっと近づくことができる逆質問。
面接官の考えに共感することで、面接官は応募者に好印象を持ちます。
また、すぐに自己アピールにつながる逆質問は、どの応募者も行っていることで、ほかの応募者との差別化をするのが難しいもの。
よほど高い能力や実績がない限り、「及第点」をもらえるだけで、「この応募者は他の応募者とちょっと違う」とは思われにくいです。
聞き上手になることで、面接官に「この人物とぜひ一緒に仕事をしてみたい」と思わせたらこちらのものです。
もちろん一次面接や二次面接に通ったからといって、その企業に採用されるとは限りませんが、相手の話を聴いて共感する能力は、人生の中で人間関係を円滑に進めるうえでも、あなたの大きな財産となります。
身に着けておいて決して損はしない能力ですので、転職の面接でもぜひ活用してみてください。
以上、「転職の一次面接・二次面接で好感をもたれる意外な逆質問とは?NG逆質問に要注意!」でした。