「後日、採用か不採用か、ご連絡させていただきますね」
転職面接でそう告げられて、実際に合否判定を待つ間は、その時間が長ければ長いほどヤキモキしてしまいますよね。「採用の手応えあり!」なら余裕を持って待っていられますが、全く手応えを感じられないときは不安ばかりが募るもの。
そんな時に思い出されるのは、面接の際の面接官の態度や話した内容ですよね。「合格フラグ」「不合格フラグ」という言葉があるように、面接の場ですでに合格か不合格かを表すサインを、面接官が無意識に出していることがあります。
「あの面接官の態度は不採用だったに違いない…!」
そんな不安に駆られることがあると思いますが、それは決して気のせいではなく、ほかの転職者も同じように「あれは不採用のサインだったのでは?」と考えるいくつかのサインがあるんですよ。
今回は、転職者が感じ取っている採用サイン・不採用サインについてと、面接官が思わず不採用サインを出しそうになるNGな受け答えについてご紹介します。
特に不採用サインを出しそうになるNGな受け答え方は、誰でもやってしまいがちな行動ですので、ぜひ参考にして面接の質疑応答の練り直しを行ってくださいね。
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転職面接での採用サイン・不採用サインとは?
転職活動も長くなると、何社もの採用面接を受けるため、面接官が醸し出す「採用のサイン」と「不採用のサイン」をある程度感じ取れるようになるものです。
人の心理状態は、よほど気を付けない限り、その人の態度やしぐさに出てしまいますので、一定の信ぴょう性はあると言えます。
今回は、マイナビ転職が20~40代の転職者を対象に行った「合格フラグ・不合格フラグ」のアンケート結果をご紹介しながらご説明させていただきますね。
面接官の合格フラグ
まず、アンケート結果をご紹介しますと、面接官の合格フラグの上位3位までは以下の通りです。
・最短入社可能日を聞かれる(28.5%)
・面接官から職務内容や勤務地など実際の勤務を見据えた説明や質問がある(23.7%)
・面接官が入社するメリットや自社の魅力をたくさん話してくれる(18.6%)
出典面接官のその反応、本当に合格フラグ?「いい雰囲気だった」は不合格?/マイナビ転職
上位3つの合格フラグは、面接官の受け答えの違いですね。確かに、不採用者には、入社可能日の確認や、具体的な勤務地の説明などは必要ないため、ある程度真実味のある回答と言えます。
そのほかにも、「面接時間が長い」「メモをたくさん取っていた」「志望動機を詳しく聞かれた」という回答がランクインしていました。
これらの回答から分かるのは、応募者に興味を持ってくれている=手ごたえありと感じる合格フラグのようですね。またほかにも、話が盛り上がったり、雰囲気が良かった…という場合にも、合格フラグがたっていると感じやすいようです。
次に不合格のフラグについてみてみましょう。
面接官の不合格フラグ
・面接官の反応がそっけない (40.7%)
・面接時間が短い (32.4%)
・質問したことに対する面接官の回答が丁寧ではない (19.5%)
出典面接官のその反応、本当に合格フラグ?「いい雰囲気だった」は不合格?/マイナビ転職
合格フラグとは対照的な回答結果ですが、1位の面接官の反応がそっけないが40%以上と高い数値になっています。確かに興味のある人材なら、積極的に質問をしてきたり、話を拡げようとしますよね。面接官の人柄にもよりますが、極端にそっけない態度は、気のせいではなく不採用のサインかもしれません。
また、不採用と面接途中で判断された場合、それ以上面接を行う意味はありません。なるべく早く面接を終わらせたいと思うのが自然の心理なので、面接時間が予定の時間よりも短い場合は、不採用の可能性が高いと言えます。
そのほかにも、「面接官がメモを取っていない」とか、「趣味などの雑談が多い」などもランクインしていました。特に、応募者が「受かった!」と勘違いしがちなのは、「雑談が多い」こと。雑談が多いと話が盛り上がるので、一見面接に手ごたえを感じそうな場面ですが、むしろ業務に関係ないような話ばかりの時は、「不採用だし、適当な話をして面接を終わらせよう。」といった採用担当者の意図が隠れている場合も。
また、「面接官から『最後にアピールすることはありませんか?』と聞かれる(9.7%)」という回答もランクインしていましたが、これは「今のままではあなたは不採用だけど、何か逆転できるようなアピールポイントはある?」という意味合いが含まれていることがあります。
この質問がきたときのために、気の利いた一言を返す練習をしておくといいかもしれません。
このマイナビ転職のアンケートでは、約70%以上の人が、合格フラグ、不合格フラグがあると思う…と答えています。面接官は毎回変われど、人間の心理が投影された合格or不合格サインは、ある程度共通しているといえそうですね。
それでは次に面接官が「この応募者はNGだな~」と思う受け答えについてご紹介しますので、早々に不合格フラグを立てないように、ぜひご一読ください。
面接官のホンネ…思わず不採用サインを出してしまう受け答え
話を拡げすぎ…
面接官が質問をした時に、勝手に話を拡げて、3倍、4倍もの回答をする応募者がいます。限られた面接時間の中、採用担当者は「簡潔に分かりやすく応えてほしい」と考えていますので、その意図をくみ取れない=コミュニケーション能力の低い人として評価される恐れが。
質問に対して、プラスワンくらいの回答で、簡潔にまとめましょう。
ただし、「はい」「いいえ」だけでそれ以上答えない場合も、面接官が困ることもあるので、少し言葉を付け足して伝えることを心掛けてください。
建前ばかりで本音を隠す
転職面接の場合、確かに建前を言うこともマナーの一つですが、建前だけで押し通そうとするのは心証がよくありません。
例えば慈善事業でもないのに、「お給料はいくらでも構いません!」といった言動は、本音を隠しすぎているので「むしろ給料のことが気になっているんじゃないか…?」と、逆に警戒されます。
話しにくいことでも、ある程度伝えたほうが面接官も親しみや人情味を感じて、共感してくれます。
また、「御社のことが大好きで…」といったあいまいな褒め言葉も、マイナスに働くことがあるので要注意。ビジネス視点から、どういった点でその企業に惹かれているのか、具体例を挙げて説明をしないと、「ホントにそう思ってんの~~??」と疑われてしまいます。
ただ、本音を伝えるといっても伝え方は工夫をしなければいけません。
「残業はできるだけしたくないんです。」
「ボーナスはいくらくらい出ますか?」
「他の企業の面接も受けています。」
いくら本音と言っても、これでは聞いた側は不快に感じてしまいます。
せめて「他の企業の面接も受けてはおりますが、○○という理由で、御社が第一志望なんです。」「御社は成果主義とのことですが、どのくらいの成果を上げると給与を上がるのでしょうか?」といった受け答えができるようにしましょう。
流行っているけど、ぼやけた表現を使う
キャリアアップ、クオリティオブライフ、クリエイティブ…最近ビジネスの場で使われている言葉で、だんだんとなじんできている単語ばかりですが、転職面接で使うのは控えたほうがいいかもしれません。
「キャリアアップを目指して転職活動をしています!」
「プライベートでは自主学習に力を入れ、クオリティオブライフを高めていく努力をしています。」
「クリエイティブな業務がしたいです!」
これらのはやり言葉は、一見耳障りのよい言葉に聞こえますが、抽象的すぎる表現なので、「要するにどうしたいの?」と自分の意志が面接官には伝わりにくくなります。
具体例を挙げて説明できないと、「夢見がちな人材」とみなされて、評価が悪くなる可能性もあります。
話を最後まで聞かない
面接官が最もイラっとするのは、面接官が話している途中なのに、「それについてはですね…」「そうなんですよ!○○が~」と、話の腰を折って自分が話を始めてしまう応募者。
つい、知っている話をされたときにしてしまいがちですが、いったんは面接官のすべての話を聞いてから答えましょう。
人が話している途中で遮って話を始めるのは、コミュニケーションの上でもマナー違反です。当然悪い印象を与えてしまいますので、やってはいけないNG行為です。
目標が壮大すぎる
例えば、面接官が「将来への展望」や「入社後の目標」を質問した時に、返ってくる壮大な答え…。
「大きなことをやりたいんです!」
「仕事を通して社会に貢献したいです!」
「世界平和のために働きたいです!」
向上心があり、精神的にすばらしいものはありますが、企業側には何も伝わりません。もともとどんな職業でも社会に貢献しているものですから、その意識が足りないとみなされたり、その企業で将来的にどのような貢献をして行くのかということがハッキリしてないと、受け取られてしまいます。
あまりにも漠然とした答えになるので、面接官に「仕事じゃなくて、ボランティア活動でもしてみたら?」と、思われる恐れも。
また、意外にも「もし採用していただけたら、精一杯頑張ります!」という言葉も不評をかうことが。社会人なら、お金をもらう=頑張るのは当たりまえと見なされるので、何をどう頑張るのか、具体的に説明できるようにしましょう。
これらのNGな回答をされると、採用担当者もついつい、「おざなりな対応」になりがちに…。不採用サインがではじめる危険性があるので、注意してくださいね。
面接は採用担当者とのコミュニケーションの場と心得る
面接官と言えど、一人の人間ですから、やはり感じのいい応募者や一所懸命な応募者を応援したくなるもの。
しかし、自分では「話も盛り上がったし、内定確実でしょ!」と思っていても、実は自分が一方的に話をしているだけだった…ということも少なくありません。
面接と言えど、採用担当者との大切なコミュニケーションの場と考えて、相手の態度や表情から質問の意図を読み取りながら、相手が不愉快に思わないような答え方をして行きましょう。
質問に対する回答も、はじめに結論を伝えてから、そのあとで理由を述べるほうがわかりやすくなります。また、要点を3つほどにまとめて答える方法も相手に伝わりやすくなりますよ。
採用担当者から、不採用のサインが出ないようにするために気を付けるべきことは
☑質問の意図を読み取る
☑面接官の話をよく聞く
☑あいまいな答えをせず、具体例を挙げて説明をする
☑答えは簡潔にまとめる(要点を3つほどにわける)
☑結論から先に伝える
☑一方的に話すのではなく、会話のキャッチボールを行う
基本的なコミュニケーション術ばかりですが、緊張すると忘れがちになるので、何度もシュミレーションを行ってみましょう。
以上、「転職面接で手応えを感じられない…不採用サインが出てしまう回答とは?」でした。