「ねえ、ちょっと悪いんだけど、この仕事急ぎだから手伝ってくれる?」
会社の同僚や先輩にこのように頼まれたとき、あなたは何と答えますか?
あなたが頼みごとをなかなか断れない性格だとしたら、引き受けてしまうかもしれませんね。
断らない…という方は、とても優しい性格だと思いますが、人間関係を壊したくないからと無理をして引き受けてしまうことが、必ずしもいいこととは限りません。
もし断らずに引き受けてしまうと、あなたの仕事が滞ったり、不必要な残業をしたり、納期に遅れて社会人としての評価が下がってしまう…といった可能性があるので要注意なんです。
余裕があるときならいいのですが、自分の手元にある仕事も急ぎだった場合、断る必要が出てきますよね。
だから、「断る」という行為は、自立した社会人としてあるための、立派なスキルなんですよ。
でも今まで断ったことがあまりない方にとっては、「どう断っていいのかわからない…」と困ってしまうと思います。
でも、どうか安心してくださいね。
このページでは、相手を不快にさせないような、「上手な断り方」をご紹介していきます。
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怒って断る方法は人間関係に亀裂が走る
「よし、今度頼まれたら絶対断ろう!」そんな風に気合を入れて断ろうと思った時にしてしまいがちなのは、感情的になって無下に断る方法。
「私も忙しいから無理!」
「できません!」
気合が入りすぎた故、言葉にも熱がこもり、怒りの感情が入って勢いで断ってしまう…。でも、怒って断る方法は、勢いでその場は断ることはできますが、その後の人間関係が悪化する可能性が高いです。
一度、人間関係がぎくしゃくしたら、仕事も思うように進まなくなります。
特に同僚や先輩の場合、時に協力しながら仕事をする必要がありますよね。もちろん、自分が手いっぱいになって、仕事を手伝ってもらう可能性もあるのです。
それなのに、あなたがもし過去に、無下に断ったことがあったら、相手は「以前手伝ってくれなかったから、私だって手伝わない!」と頑なに拒否してきます。
そのため、断るにしても「怒りの感情をこめない」「相手の気分を害さない」ことが大切です。断り方にも相手への礼儀があるんですよ。
無理して引き受けるのはなぜダメなの?
そして無下に断るよりももっと良くないのは、無理をして引き受けてしまうこと。
自分の仕事も手いっぱいとか、この先輩はいつも人に仕事を回して楽をしている…というときは、無理に引き受けずに断らなければいけませんよね。
我慢して引き受けると、ストレスがどんどんたまってしまいますし、あなたの仕事に支障が出てきます。
しかも自分の意志を呑み込んで相手の要求を受け入れると、相手には「この人には仕事を頼みやすい」「便利な人」と判断され、頼まれごとがさらに増える可能性があります。誰だって頼みやすい人に、頼んでしまいますからね。
相手の言いなりになるという上下関係が自然と出来上がってしまうので、断ることがもっと大変になってきます。
最悪の場合、残業続き・休日出勤と自己犠牲のスパイラルに突入!なんてことも…。
そんな事態にならないためにも、できるだけ早く、上手に断るスキルを身に着けていってくださいね。
嫌だと思いつつ引き受けると、相手に伝わる?!
実は、嫌だと思いつつ引き受けてると、その態度が相手に伝わっていることがあります。
いつの間にか眉間にしわがよったり、声のトーンが下がったり、口の端が引きつってたり…。
人間は誰にでも、視線・表情・声のトーン・動作などの非言語コミュニケーションで、情報を読み取る力がありますが、実は言葉で受け取る情報の割合は35%、非言語コミュニケーションで受け取る情報は65%といわれているんですよ。
だから、あなたの断った時の態度や雰囲気を、相手は敏感に察知している可能性が高いのです。
「仕事を手伝ってくれたけど、なんか嫌々な態度だった…。それならハッキリ言ってくれればいいのに。」
そんな風に相手に思われていたら、せっかく手伝ったのに台無しになってしまいますよね。嫌だと思いつつ引き受けることも、人間関係がギクシャクしてしまうリスクがあるんですよ。
そのため、上手に断るスキルが必要になってくるのです。
仕事を頼まれた!上手に断る方法
理由を伝えて、誠実にきっぱりと断る
まずは率直に断る方法が基本ですが、ポイントは、「手伝えない理由を言う」と「誠実かつ丁寧に」です。
「私もあなたの仕事を手伝いたい気持ちでいっぱいなんだけど、部長に急ぎの仕事を頼まれてて無理そうなの。ごめんね。」
断るという行為に人間は罪悪感を抱きがちですが、その必要は全くありません。
むしろ無理やり引き受けるほうが、自分にも相手にも嘘をつく行為になるので、結果的に良いコミュニケーションを築くことは難しくなるのです。
そして、「本当は引き受けたいのですが…」という気持ちを伝えることで、あなたの誠実な態度が伝わり、相手も気分を害する可能性は低くなります。
また、人は理由があると、相手の主張を受け入れやすくなります。「手伝えない理由」をしっかり伝えることで、相手も納得できるのです。
理由を伝えて、誠実な態度でハッキリ断る…自己主張しながらも相手に気配りのあるおすすめの断り方ですよ。
代替案を出して断る方法
誠実に断る方法にプラスできるのは、代替案です。
例えば
「ぜひ手伝いたいんだけど、今日は無理そうなの、ごめんね。でも明日なら手伝えるよ。」
「できれば全部手伝ってあげたいんだけど、クライアントさんとの約束があって全ては無理なんだ。でも、○○までは手伝えると思う。」
といった、自分ができる範囲の代替案を出す断り方ですね。できる範囲で最大限に協力する気持ちはあるよ…と伝えることにもなるので、相手も不満を抱くことはありません。
条件ありで引き受ける方法
これは断り方ではないですが、条件を付けて引き受ける方法も有効です。
「分かった。急ぎの仕事みたいだから先に手伝うね。でも私も手いっぱいだから、この仕事が終わったら私の仕事を手伝ってくれる?」
と、条件を出します。
条件を出せるのは、お互いが「仕事をする人」という対等な関係性があってこそ。「頼むだけの人」と「引き受けるだけの人」という上下関係ではないので、その後の人間関係も健全な状態を保てます。
これは先輩であっても同じです。
このように対等な関係というコミュニケーションを行うことが、相手を一人の人間として尊重する行為にもつながります。
まとめ
上手な断り方についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
断ると人間関係が崩れそう…と思われがちですが、実は無理に引き受けてしまうほうが、対等な人間関係を築けず、あなたのストレスがたまりにたまってしまう危険性が高くなるんですよ。
人の仕事を引き受けたせいで、毎日残業したら、疲れて自分の仕事のクオリティが落ちてしまいますよね。
あなたの仕事を優先することは、決してワガママではありません。
上手に断るスキルとは、「上手に自分の主張をする」ということです。このスキルは仕事だけではなく、日常生活のあらゆる人間関係で必要になるものなります。
身に着けておいて決して損はないスキルなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
以上、「仕事を頼まれた…相手を不快にさせない上手な断り方」でした。