あなたの直属の上司はどんなタイプでしょうか?
爽やかで頼りになる上司?
仕事ができるけど、厳しい上司?
仕事ができないのに、嫌味ばかりを言ってくる上司?
どんな上司のタイプにせよ、あなたの仕事における成長に関わってくることは間違いありません。
つまり、あなたがどんなに仕事ができても、上司に足を引っ張られては、思うようにパフォーマンス性も上がらないということです。
自社開発も手掛け、システム構築に熟知したSEであっても、一切評価をせずに小さなミスを大きなことのように指摘し続ける上司や、納期直前に部下が徹夜で作業をしているのに「お先に~♪」と自分だけ帰ってしまう上司…。
このような上司の元であなたが持てる力を出し切るのは、無理な気がしませんか?部下のモチベーションが著しく下がるため、このような上司の元ですと、部署の成績も思うように上がりません。
ではどのようなタイプの上司だと、部下の成長を即したり、部署の成績をアップすることができるのでしょうか。
今回の記事では、IT企業における理想の上司のタイプと、嫌な上司の代表ともいえる嫌味を言う上司への対処法をご紹介します。
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あなたの上司のタイプはどれ?
理想の上司のタイプを知る上で参考になるのは、社会心理学者の三隅二不二氏によって提唱されたPM理論というリーダーシップ理論です。
PM理論は主に4つのリーダーシップ性を表していて、組織においてどのようなリーダーシップが発揮されるのかの基準となります。
PはPerformance functionと言い、職務遂行機能を表しています。組織の目的達成能力が高いことを示し、生産性を高める働きが強いです。
つまり、上司のリーダーシップ性でPが強いと部署の成績も高くなる…ということですね。
MはMaintenance function集団維持機能を表します。チームワークの協力体制を維持する能力が高く、組織のメンテナンス機能が強化されます。
つまり、上司のリーダーシップ性でMが強いと、和気あいあいとした職場になるということです。
そしてPやMはその性質が強いと大文字で、その性質が弱いと小文字で表記されますので、上司のリーダーシップ性はPM型、Pm型、pM型、pm型の4つのタイプに分類されます。
人によって性格は違いますが、組織におけるリーダーシップの発揮の仕方は、大体この4つの傾向性があてはまるようです。
あなたの上司はどのリーダータイプになるか、確認してみてください。
理想の上司(PM型)
目標達成能力とチームをまとめ上げる能力のどちらも高い理想の上司タイプ。
目標達成までの計画性があり、さらに部下のモチベーションを保ちつつ、引っ張っていけるエネルギーがあります。
決して部下に甘いだけの上司ではなく、叱咤激励のバランスが取れていますので、頼りになる上司です。このタイプの上司なら、部下も安心して業務を遂行できますよ。
部署内のチームワークも良好なので、仕事をしていて楽しいという抜群の環境になります。目標達成まで一致団結してできるので、充実感があります。
特にシステム系の構築は、SEやPGがバラバラのプログラムを組むことがあり、お互いコミュニケーションが取りにくい場合がありますよね。
しかし、このタイプの上司であれば、全ての業務を俯瞰してみることができますし、エンジニア同士のコミュニケーションも大切にします。
少々タイトな納期であっても、「この上司の下でなら頑張れる。」とエンジニアもその能力を最大限に発揮することができます。
厳しい上司(Pm型)
このタイプの上司は、仕事人間で本人の能力値も高いタイプですが、部下に厳しいという特徴があります。
とにかく目標達成が第一!とても厳しく、チームを団結させる能力は低いので、部下にもあまり慕われません。
システム構築の納期もしっかり守るので、部署の成績は良くなります。しかし、常に緊張感が漂う厳しい環境になるので、部下が次々に離職してしまう可能性も。
部下同士がお互いのミスを擦り付け合うような事態になることもあります。もしあなたの上司がこのタイプなら、報告や相談をまめにすることをおすすめします。
友達上司(pM型)
チームワークを最も重視し、部下への面倒見も良い、まるで友達のような上司のタイプです。
しかし目標達成までの計画性が乏しく、大きな成果を残しにくいことが特徴。部下への気配り長けていて、部下も上司ものんびり仕事をするような環境になります。
しかし、IT企業は激務であることが基本。タイトな納期の場合に、このタイプの上司だと、部下がしっかりしないと間に合わないという事態にもなりかねません。
そのように考えると、IT企業の上司としては向かないタイプと言えます。
もしあなたがバリバリ仕事をして、エンジニアとしてもキャリアアップをして行きたい…と考えているなら、このタイプの上司の元は、早めに去ったほうがいいかもしれません。
リーダー失格上司(pm型)
目標達成能力もチームワーク維持能力も低い、上司失格タイプ。
マイペースなことが特徴で、部下への関心も薄く、リーダーとして引っ張る力もありません。仕事よりもプライベート重視で、定時で自分だけ先にあがってしまうような遊び人タイプの上司もこちらに当てはまります。
部署全体の成績は悪く、部下も徐々にやる気を失う危険性があり、成長も難しくなります。
もしこの上司の下で働いているなら、異動や転職を考えてみたほうがいいかもしれませんね。
PM理論に基づく4つのリーダーシップ性をご紹介しましたが、IT企業における理想の上司のタイプは、言う間でもなくPM型です。
この上司の元で働けば、自分のスキルアップにもつながりますし、コミュニケーション能力もおのずと身についてきます。
ITエンジニアの仕事は納期と生産性が第一ですが、部下のモチベーションが下がると生産性が落ちます。でも、この上司の下でなら、恵まれた環境が整っていますので、あなたの技術力を最大限に活かすことができるでしょう。
嫌味を言う上司への対処法
PM理論で4つの上司のタイプをご紹介しましたが、リーダーシップ性とは関係なく、困った上司というのはどの企業にも存在していますよね。
部下は困った上司の元で仕事をすることになると、業務以外に気を使わなければいけなくなるので、仕事のパフォーマンス性も下がってしまいます。
その代表が嫌味を言う上司。パワハラほどのストレスはありませんが、毎日ネチネチとネガティヴな言葉をかけられたら、仕事への意欲や自己肯定感が下がってしまうもの。
そんな嫌味を言う上司へは早めの対応が肝心です。
嫌味を言う上司の心理
嫌味を言う上司は基本的にネガティヴ思考で、物事の悪い点に目がつくタイプです。
この性質がある人には、自分の心の奥にある不安や不満を相手にぶつけて安心しよう…という深層心理が隠されています。
そのため、自分のネガティヴな働きかけ(嫌味)に対して、部下がネガティヴな反応を返すと心の奥深くで満足感を感じて、同じことを何度も繰り返すようになるのです。
いじめっ子がいじめを繰り返す心理と同じですね。
そのため、上司の嫌味を真正面から受け止めてムッとしたり、悲しんだり、怖がったり、悩んだりすると相手は余計に快感を感じます。
そのため、受け流したり、かわしたりする方法がおすすめです。
上司に嫌味を言われたときの対処法
受け流す
「そうですね。」
「勉強になります。」
そんな当たり障りのない言葉を、感情をこめずに伝えます。
こちらが何かしらの感情を見せたとき、相手は喜びを感じてしまいます。ですから、とにかく淡々と、毎回同じセリフを言ってみてください。
そのうち相手も嫌味を言うことがつまらなくなります。
にっこり笑う
「そうですね。」と伝えるときに、にっこり笑うのもおすすめの方法です。
相手はネガティヴな反応がかえってくることを望んでいますから、逆のポジティブな反応で返すのです。すると相手は驚き、嫌味を言いにくくなります。
そして相手から思うような反応が得られないとわかると、上司はつまらないと感じて寄ってこなくなるのです。
※ただ、上司がかなり怒っているときは、笑顔を見せると激昂する恐れがあります。いつも言われているような嫌味を言われた時にお試しください。
毎日の業務の中で嫌味を言われ続けていると、自分でも気づかないうちにストレスが少しずつ溜まっていってしまいます。
受け流す、かわすといった対処法が難しい方は、できるだけ嫌味を言う上司を避けるという方法も有効です。どちらにせよ、なるべく早めの対処をすることをおすすめいたします。
上司によって部署の成績も変わってくる
会社とはいえ仕事だけをしていればいいわけではなく、人間関係で頭を悩ます人が多いもの。その中でも上司との付き合い方は特に気を付けなければいけなくなります。
ご紹介した通り、上司のタイプによって、部下の成長や部署の成績も左右されることがあります。特にSEやPGといったシステムエンジニア系の仕事は、効率性や正確性を問われますから、ハズレ上司にあたってしまうと、足を引っ張られかねません。
今いる部署で全力を尽くすことはもちろん大切なのですが、もしもあなたの部署の上司がハズレ上司の場合は部署異動を視野に入れてもいいかもしれませんね。
以上、「IT企業の理想の上司タイプはどれ?嫌味を言う上司への対処法」でした。