転職活動を行う人の中で、「引く手あまたで内定をたくさんもらえる。」という人と、「10社も面接を受けたけど、1社も内定をもらえない…」とかなりの個人差が出てくることがありますよね。
不採用になった場合、キャリアや実績、個人の能力、条件が合わなかったから…などの理由もありますが、そもそも不採用になる人は「企業が求めていない人材」と評価されている場合があるのです。
その場合は、「何社受けても落ちてしまう」という状態に陥ってしまいます。
それは能力の差というよりも、その人の仕事への取り組み方や、行動や、考え方などちょっとしたもの。
自分では気づかないものの、企業の採用担当者は大勢の応募者を見ていますので、「この人物はどういった考えを持っていて、仕事にもどのように取り組んでいくのか…」ということを見抜くのはお手の物です。
ですから「面接の心得」などを勉強して取り繕っても、ちょっとした行動で、あなたの普段の在り方がにじみ出て、相手に伝わっていることが…。
もしあなたが、能力には何の問題もないはずのに、「1社も採用されない…」と悩んでいらっしゃるなら、この記事が何かヒントになるかもしれません。
今回は、企業に求められない人材について、ご説明をして行きます。
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採用とは人材への投資
まず始めに、企業にとって採用するとはどういうことか、あなたはご存知でしょうか。
採用とは、「人材への投資」なんです。
企業は「将来的にこの人物は、会社へ利益をもたらしてくれるだろう。」と見越して、その人物を採用するという形で、先行投資をするのです。
もちろん、その人物が役に立つかたたないかは、採用時点でははっきりわかりません。
しかも入社して1ヶ月後に、突然退職してしまうかもしれないという、先のことはわからないというリスクも抱えています。
そのため、企業は
・この人物はどのくらい会社に利益をもたらしてくれそうか
・前職で実績がある人物か(即戦力になるか)
・長く続けられそうか
・周りの人間とコミュニケーションを円滑に取ることができるのか
といったポイントをじっくり観察して、慎重に採用・不採用を決めています。
もし能力面で十分なはずなのに不採用になった場合は、自分が企業から求められている人材かどうか、次の項目を参考にして、見直していきましょう。
こんな人は不採用!求められない人材
学歴がアイデンティティ
高学歴は一つのステータスです。高学歴ということは、頭のよさ・知識量にも関わってきますので、採用のときの一つの基準になるのは確かです。
しかし決して、学歴が全てではありません。
大学や大学院までの学歴はある程度評価されるものの、転職者の場合は、学校を卒業した後の前職での実績やキャリアを重視されます。
極端な話、東大出と短大出の応募者がいた場合でも、前職での経験が豊富な短大出の応募者が採用される場合もあるのです。
面接で「キャリアについて」質問されたときに、「仕事では時に英語を使うこともありましたが、学生時代にはアメリカに留学し、TOEICで○○〇点を取りまして…」といった、学生時代の栄光を語ってしまう人もいます。
高学歴であるということを自信にしてしまい、そこを強調してしまうと、面接官に「鼻につく」という印象を与え、「部署の人間とトラブルを起こしそうだな…」と不採用になってしまうことも。
たとえ高学歴であっても、大切なことは、今までの仕事の取り組み方、そしてどのような実績を残し、会社に貢献してきたのかです。
学歴については、面接官に聞かれない限り答えないようにして、謙虚さを忘れないようにしましょう。
資格マニアは要注意
「資格がたくさんあったほうが、採用されやすいでしょ!」もしそう思っているあなたは、要注意。
資格をたくさん取っている人は、勉強家というイメージがあるかもしれませんが、多すぎる資格が、採用面接ではマイナスに働く場合があるんです。
学歴のところでも紹介しましたが、企業が重要視するのは「前職でもどれだけ実績を残しているのか」「仕事に対してどんな取り組み方をしているのか」ということです。
しかし、資格をたくさん取っている…ということは、「資格を取ることに熱心で、仕事をおろそかにした可能性がある。」とみなされる危険性があります。
しかも、仕事と関係のない資格を取っている場合は、将来何をしたいのか、資格を仕事にどう活かしたいのか…などが伝わらず、計画性のない人物として厳しい評価を受けることも。
だから履歴書にも資格を書きすぎないほうが無難。特に職務に関係のない資格は、書かないほうがいいですね。(直接職務に関係ない資格でも、取得が難しい資格の場合は、プラスになることもあります)
「私、これだけ資格を取っててすごいでしょ!」
もしそう思われているなら、その考えをちょっと改め直してみると、いいかもしれませんね。
なんでも受け身の、指示待ち人間
「コーディネータさんが、「この会社いいっすよ!」って言ってたから、とりあえず応募してみよ~」
そんなあなたは、何事にも受け身になっていませんか?
企業が欲しがる人材は、前向きで行動力のある人です。
今ある仕事の効率化を図ったり、改善点を探ったり…そんな仕事の質の向上を模索するような、行動力のある人材を企業は常に求めています。
・指示されなければ、ルーティーンワークをこなすだけ
・「今日は何をすればいいですか?」と人に聞くばかりの人
こんな方は、仕事に対しても主体性がなく、全てにおいて受け身になりがちです。
転職も、コーディネータが薦めるままに応募するので、志望動機が曖昧になる可能性も。でも、マニュアルにあるような薄っぺらい志望動機は、採用担当者にすぐに見抜かれてしまいます。
業務の質を上げる、効率化ができないか考える…そんな仕事への意欲、行動力を磨いてみると、企業からも求められる人材に変わっていくことができますよ。
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なんとなく転職とネガティブ転職は危ない!後悔しない転職をするために必要なこと
周りで転職している人が多いから、転職してみようかな…そんな「なんとなく転職」が増えているのをご存知でしょうか。でも、目的がはっきりしないまま転職を行うのは非常にリスキーです。転職した後に「転職しなければよかった…」と後悔しないように、考えなければいけないことやすべきことついてご紹介していきます。
無意識の癖は見られてる
採用面接では、ほとんどの方が服装には気を付けますよね。大好きなブランドバッグは封印してシンプルさでキチンと感を出す、面接の時には清潔感を大切に、嫌味のない服装で…。
…でも、ご自分の持つクセに気を配ってる方はほとんどいないのではないでしょうか。
人の印象は、出会ってから7秒で決まる…とも言われていますが、あなたの持つ癖によっては、たとえ始めに良い印象を持たれていたとしても、覆ってしまうことがあります。
面接官は、あなたのしぐさ、口調、姿勢、表情、癖をよく見ています。
面接官に良い印象を与えない癖の一例は下記の通りですが、うっかり出ている癖はありませんか?
・足を組む・腕を組む
・猫背
・挨拶がピシッとできない
・筆記用具をいじる
・目をそらす
・視線を外すことなく、じ~っと見る
・貧乏ゆすりをする
・「えっと~」「ん~~」「と、言いますか…」という口癖が必ず入る
このような癖は、あまり良い印象を与えません。良い印象を与えないと、結局どんなにすばらしい功績や能力があっても、十分にアピールすることができないのです。
ただの癖で、そんな事態になるのは残念なことですよね。
自分に無意識の癖がないのか、面接のシュミレーションを家族にお願いをして、一度チェックしてもらうといいでしょう。
自分の条件と欲求にこだわる人
「残業は絶対無理!」
「給料はこれだけ欲しい!」
誰にでも会社に対して、条件がありますよね。待遇面もとても大切なことはわかります。
でも、その会社を志望する動機が、「自分の条件だけ」になっている方は要注意。
先ほどご紹介した通り、会社は採用という投資をしていきます。
それなのに、「自分はこれを求めている!」と自分の欲求ばかりを追求する人物は、「自分勝手」「自分のことしか考えない」と思われてしまいます。
ぜひ、自分がその会社に入ることで、どのような役割を果たせるのか…といった視点を持って転職活動を行ってみてください。
これ以外はやりたくない!柔軟性のない人
「入社当初は、ご希望の業務以外の雑務が入ることもあります。それらの業務も抵抗なく行っていただけますか?」
そんなことを、面接官に聞かれた場合、「嫌だな…」と思う方は、そのまま面接官に伝わってしまうことがあります。
自分の仕事にプライドを持つのは大切なことですが、「私の仕事はこれだから、ほかの業務はやりたくありません。」というスタンスだと、企業側としても困ります。
事業内容が変わって、業務もどんどん変化していくのは今の時代は当たり前のこと。決められた業務以外の仕事が入るのは、どの会社でもあり得ることです。
新しい仕事に対して、今までのスキルをもとに、どれだけ柔軟な働き方ができるのかで、その人物の評価が決まることがあります。
仕事の幅が広がると、自分の経験も豊富になりますので、市場価値がむしろ上がります。変化に強い柔軟性もアピールできるので、色々な業務にチャレンジすることも、大切な要素なんですよ。
「妥協する」という捉え方ではなく、「私のキャリアアップになる」と前向きにとらえることで、あなたご自身もどんどん成長していけます。
何かと人のせいにする人
何か問題が起こった時に、「他人のせいにするか」どうかで、その人の性格が現れます。
転職活動をしている理由(前職を辞める理由)は、採用面接で必ず聞かれるものですよね。
常日頃から他人のせいにする人は、その回答の中で、必ず他責の傾向が現れます。
転職理由が、キャリアアップのためや、今までの経験をもとに他業種に挑戦したいから…というポジティブなものでしたら問題はないのですが、
「前職では給料が低く、正当な評価をもらえなかった」
「周りはやる気のない人間ばかりで、足を引っ張られる」
「上司が部下に理解がなく、仕事内容もルーティーン化されていてやりがいがない」
このような理由から転職を希望したい…と考えている場合は、面接での回答に気を付けなければいけません。
そのまま他責な回答をすると、面接官は「単に実力が足りなかったのでは?」「やりがいのある部署に異動願いを出せばよかったのでは?」「仕事も与えられるだけではなく、自分から改善する努力をしたのか?」といった悪い印象を抱くことも。
でも例えば、
「自分も上司に掛け合い業務フローの見直しに取り組みましたが、旧体制が強い職場であることと、自分の力不足から、残念ながら現状を変えるには至りませんでした。そのため、業務フローの改善を後押ししてくださるような、先進的な職場で働きたいと思い、転職を決意しました。」
といった、現状を変えるような努力がみられる回答でしたら前向きにとらえてもらえます。
他責傾向が強いと、なんでも人のせい、職場のせいにしがちですが、
「本当に、自分にも落ち度はなかったのか」
「改善のために自分はベストを尽くしたのか」
「文句ばかりを言っていたのではないか」
そのように、自分にも問題点がなかったのか見直しを行い、まずは今の職場で、自分の努力によって改善できるポイントはないのか、考えてみましょう。
もし結果として改善に失敗したとしても、そのように努力した証は、間違いなくその後の転職活動でも活かされるはずです。
まとめ
能力や実績はもちろんですが、誰でも「ぜひ、この人と働きたい」と思う人を採用したい…というのが面接官の本音。
前職での実績はもちろんみられますが、同時に「その人の仕事への取り組み方、考え方」も面接では厳しく見られているのです。
応募者が実際に現場で能力を発揮できるのかは、面接の時点ではまだ未知数。
だからこそ、「この人物と一緒に働きたい」と思われるような、考え方や行動をしていくことが大切なのです。
もちろん、今までの経験などもあると思いますが、ぜひ「企業に求められる人材」になれるよう、自分の行動の見直しを行ってみてください。
以上、「こんな人はいらない!転職で不採用になる求められない人材とは」でした。