あなたは自分のキャリアについての自己評価は高い方ですか?それとも低いですか?
もし年収アップを目指すなら、キャリアアップを目指すべく、資格を取得したり、経験を積み重ねたりという考え方が一般的といえるでしょう。
ただこれからは、ひとつの会社でキャリアアップにしがみついていては職業生命を短くしてしまうかもしれません。
そこでキャリアデザインという考え方も導入していただきたいのです。これは自分で主体的にキャリアをデザインして、経験幅をワイドに広げていくということですね。
それを実現するための現実的な手段が、転職です。
そこでこの記事では、キャリアデザイン転職を成功させるための考え方を紹介していきましょう。
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キャリアに関する2つの考え方
バブル期までは、年功序列型の人事制度が一般的でした。とくに30代、40代以降のミドル世代の方は、年齢とともに昇進・昇給していくという形が馴染みがいいかもしれませんね。
しかし、現在のような低成長の時代において、「年功序列」は会社にとって何のメリットもなくなってきました。今は、業種・業界関係なく、「成果主義」が時代にマッチするようになってきたのです。
だから「成果主義」の時代に見合ったキャリアプランを考えるなら、従来のキャリアアップよりキャリアデザインにシフトしていく必要があるのです。
昭和型キャリアアップ
ひとつの会社の中でキャリアを積み上げていきながら、一歩一歩着実に昇進・昇給を勝ち取っていくのが「キャリアアップ」です。
高度成長期からバブル期まで昭和時代を支えた人事制度といえるでしょう。社員として働く側も、安定した収入が見込めるので、ライフプランも立てやすいのです。
ひとつの会社に対して律儀に忠誠を誓う。義理と人情による年功序列は誰にとってもわかりやすく、ひとつの「ジョブセキュリティ」として機能していました。雇用はしっかり守られていた。
しかし、低成長経済やAIによる効率化によって労働人口は減少していくなかで、これまでの昭和型キャリアアップという考え方は企業の実情に見合わなくなってきました。
もし社員の雇用を守るためだけに継続していくなら、社内は管理職だらけになるでしょう。言うまでもないことですが、管理職のポストは限られているのです。
これからは自分のキャリア開発のためにも、昭和型を卒業していくことをおすすめします。そうすることで本当のキャリアアップを実現することもできるでしょう。
2020年型キャリアデザイン
今後のキャリア形成を考えていくうえで、重要になってくるのが、職種の垣根を越えて経験幅を広げていく「キャリアデザイン」です。まさに時代が大きく変わる2020年型のキャリアプランといえるでしょう。
ひとつの会社にとらわれず、自分のキャリアの厚みを大切に育んでいくことで、市場における自分の価値を高めていくことができるのです。
たとえばあなたが自分の天職を「広告業界」であるとします。ずっと広告業界に携わっていくなら、クリエイティブだけの職種にこだわっていてはキャリアデザインの形成は難しいでしょう。
たとえば営業や企画にも携わっていくことで、ひとつひとつのスキルが発展していくのです。
あなたが総合広告代理店だけを視野に入れているなら、専門広告代理店に転職することで、ひとるのプロジェクトを最初から最後まで携わることができるかもしれません。広告関連のことなら何でもこなせることで、あなたは広告業界のオールラウンダーになることができるでしょう。
2020年以降は、狭い分野の専門家を目指すのではなく、マルチな活躍ができるオールラウンダーの人材が求められるのです。そういう意味で、キャリアデザインという考え方が注目を集めているわけですね。
そして、キャリアデザインを積極的に求めるなら、転職という手段が最も合理的で現実的といえるのです。
キャリアデザインのために転職をおすすめする理由3つ
多角化していく企業のニーズにマッチしている
これからの時代に向けて、これまで専門特化していた事業を多角化シフトしていく企業は少なくありません。そこで求められるのは旧態依然と社風に新風を吹き込むような人材です。
将来の会社を担うプレイングマネージャーとしてふさわしいのは、キャリアデザイン志向のある人。責任の大きい仕事ですが、それ相応のポストは約束されています。
今、転職市場が好調
今は空前絶後の人手不足の時代です。転職先の選択肢はあなたが考えている以上に多いのが実情なんですね。
企業の採用意欲が高まっているので、キャリアデザインを求めて転職、転業を考えている人にとっては願ってもない状況といえるでしょう。
同じ会社にずっと働いても職域を広げることは難しい
大企業であれ、中小零細企業であれ、一社に長く勤めていても職域はそれほど広がりません。もしあなたがキャリア形成にも年収アップにも興味がなく、居心地によい現職がやっぱり良いとお考えならそれもひとつの見識です。
しかし、積極的にキャリアデザインを求めていくなら、転職という手段が理にかなっています。
キャリアデザイン転職に興味を持ったあなたに知っておいてほしいこと
きょうびミドル世代の転職は当たり前
転職といえば一般的に「35歳上限」と言われていますが、それは一昔前の話。企業側も気付いているんです。もし中途採用枠に年齢制限を加えることで、大きな機会損失となっていることを。
年齢関係なく、会社の変革をもたらす人材が労働市場で切実に求められています。
もちろん、若年求職者に比べると、ミドル世代は即戦力となるスキルやマネジメント能力も求められますが、それよりも転職先の企業で十分な貢献をする気があるか、そしてその貢献が自分のキャリゴールと直結しているかが大切なんです。
異業種・異職種からの転職者に期待大
「エンジャパン」の調査によると、2017年、ミドル世代の転職者の約6割が異業種へ転職していることが明らかになっています。
関連エン・ジャパン
採用企業が求められるのは、前職での経験ではなく、業種の垣根を大胆に飛び越えて経験を活かしていける応用力のある人材。また異業種、異職種だからこそ、これまでにない視点からのアイデアが生み出され、喜ばしい相乗効果が期待できるのです。
多角化に挑戦していく企業も不安を抱えています。経営側から見て安定志向の社員はどう映っているでしょう。変化の多い時代を一緒に冒険してくれる、頼れる人材の登場を待ちわびているのではないでしょうか。
目先の年収より生涯年収で考える
「よし、転職に踏み切るぞ」と気持ちが高まっているあなたにちょっと水を差すようで申し訳ないんですが、実は転職しても年収が上がるという保証はありません。
年収ダウン転職もおおいにあり得ることは申し添えておかないと嘘になりますから。ただし、あくまで目先の年収に限っての話で、生涯年収というスパンで見たら、大きくアップしていきます。
同業種の転職なら、年収アップは素直に嬉しいものです。しかし、異業種の転職先でいきなり年収が上がっても、新しい職場でいきなり大活躍して辣腕をふるうことができるでしょうか。
かえって年収アップが悪しきプレッシャーとなって、あなたの仕事のパフォーマンスを大きく低減してしまうことにもなりかねません。転職は長期的なキャリアプランから考えていくべきです。
キャリアデザイン転職を成功させるためにどうすればいい?
見かけの年収や役職にこだわると転職は失敗する
転職に成功した人がいるいっぽう、仕事を替えて後悔している人も少なくありません。それは転職先の年収や役職にこだわってしまうからです。
そもそも転職に踏み切ったのは、キャリアデザインを成功させるためであることを忘れてはいけません。まずは将来のために、経験幅を広げていくことが重要ですし、考えてみたら収入が保証されながら、キャリアデザイン形成をさせてもらえるのです。
あなたが八面六臂の活躍をして、キャリアの厚みを増していけば、企業はそれにふさわしいポジションを用意してくれるでしょう。
「過去の成功体験に裏切られることもあること」を知っておく
とくにミドル世代の転職者で多いのが、前職の成功体験を新しい職場でも無理やり当てはめようとして失敗することです。
その職場には職場固有のルールがあります。自分のルールを押し付けても結果が出ないばかりか、人間関係のトラブルにも発展していくでしょう。
まずは原則ゼロベースでスタート。焦る必要はありません。ごく自然に過去の成功体験を活かせる状況が出てきますから。
転職先では新しい伝説をつくるくらいの気概を持つようにしたいものです。
無謀な転職をなんとしてでも回避するために転職エージェントを利用する
もしあなたが「よし、情報収集して、さっそく転職活動を始めるぜ」と考えておられるなら、自分ひとりで動くのはいささか無謀というものです。
あなたが就職情報産業に勤めている方なら、事情通ですから、ひとりで転職活動するのもいいでしょう。しかし、もしあなたが採用企業側に「もったいない見せ方」をしていたら、せっかくの転職によるキャアリパスの機会を逃してしまうのです。
同じ人でも、「見せ方」や「プレゼンテーション」しだいで、企業の採用担当者の心を動かすこともできるのです。面接時間は限られています。そのなかで、あなたの価値を最大化して伝えるためには、有効な転職戦略は欠かせません。
ではどうすれば自分の価値を最大化する見せ方ができるのでしょう。
その答えは、「転職エージェント」が知っています。もし転職を考えているなら、無料で利用でき、求職者の最強のパートナーとなるエージェントに登録しないのはあまりにももったいない。
転職エージェントはどこの誰よりも人材を求める企業のニーズを把握しているため、求職者の強みを最大化するノウハウを持っています。
企業が求めているもの、そしてあなたが提供できるものをうまくマッチングしてくれるエージェントを徹底的に使いこなすことで、あなたのキャリアパスは大きく開かれるでしょう。
まとめ
キャリアアップよりもキャリアデザインが大切であり、そのためには転職という手段が有効であるというお話をさせてもらいました。
キャリアアップがダメと言っているのではなく、キャリアデザインを実現していくことで、見せかけではない、本質的なキャリアアップにも到達できるということなんです。
一部の企業では、「出戻り制度」も採用しています。他社でキャリアデザインを形成したら、古巣に戻って大活躍してもらうわけです。まさに戦略的転職というのが行われているわけですね。
アーリーベンチャーから大企業まで、今や、年功序列は過去の遺物となっています。積極的にキャリアデザインを描いて、変化の時代においてもたくましく生きていく「用意」が必要なのです。
このエントリーのさいごにこの言葉を紹介しましょう。
幸運の神様は、常に用意された人にのみ訪れる
―― ルイ・パスツール
千載一遇のチャンスを掴み損なわないためにも、あなたのキャリアプラン、そしてキャリアゴールについて真剣に考えてみることをおすすめします。考えてみる価値のあることですから。それが「用意」にもつながっていくのです。
以上、「キャリアアップよりキャリアデザインが大切!経験幅を広げる転職のすゝめ」でした。