もしあなたが20代で、「今の仕事はとてもじゃないけどずっと続けることはできない」と考えているなら、転職は早めにした方がいいのでしょうか。
一般論として「仕事を替えるなら30歳までに決断するべし」と言われています。でも、現在は30代以降で転職を決断して、自分のキャリアに合った仕事をみつけて活躍されている方も少なくありません。
年齢よりも大切なことは、転職の目的が明確であるかどうか、そして、機が熟しているかどうかです。現職に対する不満だけで、焦って仕事を辞めて転職すれば必ず後悔することになるでしょう。
この記事では、「30歳までに転職すべき?」と考えている20代の方向けに、転職失敗のパターンを5つご紹介します。
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自分の仕事にベストを尽くしていないまま仕事を辞める
言い訳と受け取られる可能性も……
職場を変えたいという動機はいろいろです。あなたはなぜ転職を考えておられるのでしょう。
「自分に対する会社の評価が低い」
「人間関係が劣悪」
「残業が多くて休日がとれない」
などなど、職場環境を理由に仕事を辞めたいと考えているのかもしれませんね。
たとえば、キャリアアップを目指したいとか、新しい環境で自分を試したいなどポジティブな理由なら問題ないのですが、ネガティブな響きがあると、第三者はあまり良い印象をもてません。
なぜなら、会社の評価が低いとか、人間関係の悩みは程度の差こそあれ、どの会社に勤めてもあるからです。
また残業が多いというのも、厳密にみていくと、自分の仕事にベストを尽くさず、生産性が下がっているから残業をしなければならないのかもしれません。つまり言い訳と受け取られる可能性もあるということです。
目の前の仕事に全力に取り組みながら転職活動する
他の会社の面接試験を受けるとしても、他責や言い訳を受け取られる発言をしてしまうと、かなりマイナスになることは覚えておきましょう。
たとえ劣悪な職場環境であってもそれを改善するためにどれだけ頑張ったか……そこを企業はチェックしているのです。
転職先の企業でも、成果の芳しくない社員に低い評価をしたり、人間関係にうまくいかなかったり、残業が続いたり、、、ということはよくあります。あなたが現職で抱えている不満は、新しい転職先にそのまま引き継がれる可能性も高い。
転職前に考えてほしいのです。今の職場で十分な働きができているかということを。目の前の仕事に対して責任を果たせていないと、同じ轍を踏むことになるでしょう。
どんな企業でも言い訳せずに自分の仕事にベストを尽くせる人間が求められているのです。
骨を埋める覚悟で転職先を探す
会社を優先するのではなく、自分のキャリアパスを大切にすることが大切
「骨を埋めるつもりで転職先を探して何が悪いの?」とあなたはお考えかもしれません。
あなたがミドル世代ならそういう考え方をしてもいいのですが、20代の転職は選択肢が多いというメリットを活かしてほしいのです。
幸い、転職市場は活況ですし、転職エージェントという頼もしいサービスも無料で利用できます。会社の知名度や福利厚生だけで選ぶより、長期的なキャリアパスという視点から仕事探しをしたほうが後悔が少ないでしょう。
必ずしもジョブホッパーが悪いというわけではない
何度も転職してしまう人のことをジョブホッパーと言います。もちろん企業視点で見ればあまり良い印象はありませんが、目的をもって転職をしているなら、それは積極的な挑戦として評価されることもあるでしょう。
たとえばキャリアの幅を広げるため、「1社で3年勤めてまた別の会社で3年」といったようなフットワークの軽さは20代だからこそ実現できるのです。長期的なキャリアプランを考えて、転職活動していくことをおすすめします。
安定を重要視しすぎる
絶対の安定企業は存在しない
会社の将来性に不安を感じて転職を考える20代の人は少なくありません。
でも考えてみたら、グローバル化を進行した低成長の時代においては、どの業種、どの企業が「安定」なのか容易につかみづらいのです。将来性が有望な会社は、IT関連やベンチャー企業が多い傾向がありますが、同時に、これらは浮き沈みも激しい。
「ではつぶれない会社に就職するにはどうすればいいの?」とあなたはお考えかもしれません。もちろん、公務員を目指すというのもひとつの選択ですが、それがあなたにとって本当にやりたい仕事なのか、冷静に考える必要があります。
そもそも安定というものを自分の外部に設定している限り、常なる不安定に悩まされるのではないでしょうか。
自分の市場価値を高めることが真の安定
どの企業も実績重視にシフトしていくなかで、安定だけを求めて仕事を探していると、もしかしたら相手にされないかもしれません。
「自分たちの頑張りで会社の安定を創っていく」という気概をもった社員で構成された企業こそ、成長しているという事実があります。
転職活動は慎重さが肝心ですが、ある程度はリスクを取ることも大切です。ですから寄らば大樹の陰という考え方ではなく、自分の市場価値を高めることを重視したキャリアビジョンを描いて行動に移していくべきでしょう。
当面は、今の会社でベストを尽くしながら、転職エージェント等に登録して、チャンスがあれば転職するというスタイルでもいいかもしれませんね。
正社員にこだわりすぎる
正社員以外にも視野を広げることで選択肢が広がる
場合によっては、あなたの求めている職種が見つからないこともあるでしょう。でも転職というのは必ずしも、正社員⇒正社員である必要はありませんよね。
もしあなたが本気でやりたい仕事があるなら契約社員やアルバイトでもいいわけです。キャリア形成重視で考えていけば、正社員以外の雇用形態でも立派な職歴として認められますから。
アルバイトで入社して、そこで余人を持って代えがたい存在として認められたら、正社員登用も今は珍しくありません。
ブランクには要注意
「そうは言ってもやっぱり正社員という身分にはこだわりたい」というあなたは、やはり在職中から転職エージェントに登録したり、情報収集をして、しっかり準備しておくようにしましょう。
なぜなら、長期間のブランクは転職に不利になりこそすれ、有利になることは絶対にないからです。
事情があって退職後に転職活動を余儀なくされるケースもありますが、ブランクが開くほど、「どの会社も採用しなかったんじゃないか」「本気で仕事に就く気があるのか」「健康面に問題があるのか」と懸念する企業も出てくるでしょう。
ブランクが開かないように計画的に活動することをおすすめします。
転職理由は明確だけど志望動機が曖昧
「辞めたい理由」を述べるだけの求職者はマイナス評価
現職への不満が募っているあなたはすぐにでも転職したいと考えておられるかもしれません。
今の会社を辞めたい理由なら、いくらでも出てくるかもしれませんが、転職希望先の面接試験で伝える必要のないことです。採用する側としては、あなたが会社を辞めたい(辞めた)理由にはほとんど興味ありません。大切なのは志望動機なのです。
もし志望動機を伝えずに面接を受たところで、「会社が嫌だから辞めた人」という印象を与えてしまうでしょう。それは「もし雇い入れても、うちの会社も嫌になる可能性がある人」と評価されてしまうことですから。
志望動機をクリアカットに伝える3つのポイント
転職希望先に対して、志望動機をはっきり伝えるには以下のポイントをおさえておきましょう。
- 転職先企業の業界の将来性
- 転職先企業の競合優位性
- 転職先企業で自分がどういう貢献ができるか
この3点がうまく決まれば、説得力のある志望動機になります。
「転職理由」と「志望動機」がごっちゃになっていると、ネガティブな印象は払拭できません。「転職理由」から「志望動機」へと繋がるようなプレゼンテーションは伝わりやすく、好印象を与えるでしょう。
まとめ
20代転職失敗パターンということでお伝えしてきましたが、20代の最大の強みは、転職に失敗してもいくらでもリベンジがきくということです。
もやもやした気持ちを抱えたまま、今の仕事を続けるよりも、おもいきって動いてみると意外と可能性が開かれていることがわかるでしょう。
計画的に転職プランを考えて、ワクワクしながら新しいキャリアに挑戦していただきたいと思います。
その際、力強いパートナーになってくれるのが転職エージェントです。積極的に活用して、「なりたい自分」を目指してくださいね。
さいごにこの言葉をご紹介します。
われわれは心を柔軟し、予定したことに過度に執着しすぎないようにしなければならない
―― セネカ
プランを立てることは大切ですが、プランを守ることそのものが目的化すると、チャンスをみすみす逃してしまうこともあります。
20代はまだまだ偶然を楽しんでもよい年代。「偶然を楽しんでやろう」というゆとりのある態度で転職活動に取り組むことで、偶然を味方につけることができます。
あなたはいかがお考えでしょう?
以上、「30歳までに転職すべき?焦って仕事辞めて後悔!20代転職失敗パターン」でした。